私の作品の多くはこのような技法で作っています。

「FRP(強化プラスチック)研ぎ出し」技法について                            
研ぎ出し、象嵌(ぞうがん)の技法は古く、漆の作品の中で使われていました。漆で金属や貝を塗り込め研ぎ出したり、漆の表面を削り金属などを埋め込んだりしたものです。その技法を利用して、もっと多様な表現ができないものかと工夫しながら、漆の代わりにFRP樹脂に金属、木、糸などを埋め込み、研ぎ出して表現しています。
この技法を実用新案の特許として申請し1978(昭54-119591号)の認可を得ています。



簡単に作業過程を説明すると                    
1、パネルにイメージを描く。                                    
2、.パネルに金属(スズ,アルミ,等)を貼りつける。                     
3、イメージした色面にしたがい樹脂(合成樹脂,を顔料と混ぜ合わせぬりこめる。 ) 

4、硬化後,表面から金属面まで研ぎおとす。
  (漆よりも数段堅いので、かなり大変な作業です。)
  

5
サインを象嵌して再度,樹脂を流す。(ポリエステル系,) (約5段階の研ぎおとし) 

6
表面を丁寧に研ぎ,みがき上げ,つやを出して‥‥‥完 成。                                                      
 この作業の利点は、漆の作品に比べて、大作や数多くの作品を創ることが,容易で強度があること。デザインや色彩が自由で,斬新に表現することが可能であるということです
        
日常的に使用するものや,食器類は漆の作品の方がすぐれている点があると思いますが,装舘品やタブローとし鑑賞していくものに「漆」をこだわる必要はないと思っています。                                          工芸品と言うよりはタブロー(平面作品)として鑑賞していただきたいと思います。                            

作品技法を動画で解説。
その1  https://youtu.be/8VXsyxPZurU
その2  https://youtu.be/pZXnD0Qwxvs




 
上右から順に制作過程です。


1、2,   パネルになまり、アルミ、などの金属線を張り付け


3、張り終わったら、樹脂を埋め込む。樹脂はそれぞれ顔料で着彩しておく。


4,順に流し込み、硬化させ、パネル全部を覆うようにする。


5,硬化したら、表面から研ぎ出す。この段階でサインなどを象嵌し彫り込み画面を作る。さらに、細かな研ぎ出しを、行い、艶をあげていく。

6,最後に、表面をコーティングして完成.



           



     
    
     四つの実(F3)





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